ジム戦でハピナスに挑み、勝つことが出来なかった息子くん
タイプ相性を覚え、格闘タイプを集めることに。
ポケ活で回復アイテムや格闘タイプのポケモンを集めることでハピナスを倒せる日はやってくるのでしょうか！

前回までのお話はこちらの記事を参照ください！




「おとうさん！　おかえりなさい！」

予定より早く帰宅する事が出来たこの日。
息子と娘が玄関で、暖かく出迎えてくれました。

あぁ……いいですね。
仕事で溜まった疲れがすぅーっと……

「ポケモンに行こう！」
抜けませんでした。
なんだ、ポケモンに行こうって……
「いや、もう夜だよ？　おとうさん帰ってきたばっかりだよ？　夕御飯食べてないよ？」

「いーこーおー、いーこーおー」
ダメそうな理由を並べてみましたが、効果はいまいちです……
ここ最近、私の仕事が忙しく、全然Pokémon GOが出来なかった反動で、恐ろしくグダっています。

……こうなったら仕方ありません。
引き下がる様子のない息子を黙らせる禁じ手を使うしかありません。
母（妻）の一声を！
我が家での妻の一声は絶対！！
どんなに泣き叫ぶ子供達も、泣きながら従うという絶対遵守の力！！！
さぁ！　今こそ、その力を遺憾なく発揮して……
「今から夕食作るから、1時間くらい遊んで来て」
……イエス・マム

妻の声を聞き、にこにこと外出の準備を始める息子と娘
おのれ……
「さぁ！　おとうさん！　行こう！」

息子と娘を車の後部座席に乗せ、車をスタートさせます。
もちろん、スマホの画面はOFF
ながらスマホはダメ、絶対

「さぁ、どこ行こうかな～」
制限時間は1時間。
早すぎても遅すぎてもいけません。
理想は10分遅れくらいでしょうか……

2、3箇所候補を考えていると、後ろから、息子が勢いよく手を挙げます。
「はい！はい！　ハピナスと戦いに行く！」



「言うと思ってたけど、前に負けたの、どれだけ悔しかったの……」

そーだそーだと、娘が合いの手を入れます。
たぶん、意味は分かっていません。

「悔しくないよ！　今度は勝てるもん！」
あれから1mmも強くなっていないのに、どこからその自信が……？

そーだそーだと、娘が合いの手を入れます。
よく分かってないだろ？
「とりあえず、戦うにしても、このままじゃ、この前と同じで絶対に負けるよ？」
よっぽど弱っているハピナスを見つければ別ですが、探している間に制限時間になるのは目に見えています。
なにより、それは倒した事にしていいのか、甚だ疑問

「え～……じゃあ、どうすればいいの？」
「そうだなぁ～」



と、いうわけでやって来ました近所の大型商業施設。　その名もイ○ン！
いつもお世話になってます。

着いただけでウキウキしている息子。
着いた時にはウトウトしている娘。
お願い、寝ないで。

「おとうさん、ゲームセンターいく？」
……ねぇ、何しに来たの？

通路に置かれた休憩用のベンチに座って、ポケモンGOを起動します。
3つあるジムは、全部自チームとは違う色。

「ハピナスいた？」
横から覗き込んでくる息子。

「……いや～、いないかな」
居たんですけど、絶対勝てないのに挑むから内緒です。
すっと、スマホを遠ざけます。

道中、息子には説明したのですが、今日の目的は回復アイテム集めです。

前々回、育っていないポケモン達で、ハピナスに特攻を仕掛けた結果、元気の欠片が見事に枯渇してしまいました。

というか、手持ちのポケモン達すら瀕死のままです。
どうやって、戦うつもりだったんだ……？



とにもかくにも、回復アイテムが一定数集まるまでは、ジムバトルは禁止。

あと、ある程度戦力も整えて、戦えるようにならなくては……。
今の戦力では、アイテムの無駄遣い以外の何物でもありません。

ひとまず、3箇所すべてのアイテムを回収します。
スマホを渡すとハピナスが居るのがバレるので、今回ディスクを回すのは妹の役目。

ジムは、ポケストップより回復アイテムが出やすくなっているそうです。
今まではボールの方が欲しかったので、あまり立ち寄らなかったのですが、ジム戦デビューした以上、これからはとてもお世話になります。
運良く（？）元気の欠片が3つ出ましたので、ひとまずスマホを息子に貸与。
迷わずナッシー達を回復させる息子。

「よし！あと3匹！」
一応確認するけど、そこゴールじゃないからね？
何なら、スタートラインでもないからね？

息子は、私のツッコミなど意にも介さず、ジムのディスクが回復するまでの間、近くにいるポケモンを確認していきます。
「う～ん、いないかなぁ～？」
あれ？
いつもなら、手当たり次第にGETするところですが、今日は静かですね。

「どうしたの？　ボールは使ってもいいんだよ？」
「おとうさん、この中に格闘タイプいる？」
画面の中に格闘タイプは見当たりません。
「いないけど、なんで？」
「ハピナスの弱点は格闘でしょ？　格闘タイプのポケモンがほしい」


なるほどね。
ハピナス相手に、こだわっていたのはもちろん知っていましたが、勉強したてのタイプ相性まで考慮するとは……

何にしても、目的を持つのは良いことです。
周辺のポケモンも調べてみることにします。

この頃の格闘ポケモンといえば、カイリキーが筆頭。
野生のカイリキーなんて遭遇しないでしょうから、カイリキーに繋がるワンリキーが欲しいところです。
もちろん、何かの間違いでゴーリキーでも良いです。



うん、いない。

残念ながら、周辺に○○リキーらしき影は見あたらず。
強化の為に、とりあえずポケモンをGETして、ほしのすなを集めておくことも考えました。が、

ボールを無闇に消費する→格闘ポケモンが来たときにボールが足りない→ぐずる。
ここまでの未来が容易に予知出来できてしまった為、今回はスルーします。

ジムのディスクが回復した頃合いを見て、もう１度回収。
これで手持ちのポケモンは全員復活。

代わりに、回復アイテムは在庫0となりました。
先が長い……

時計を気にしつつ、フードコートでジュースを買って、ちょっと休憩にします。
二人がけのテーブルを借り、正面に息子。
娘は膝の上です。

「ドーナツがほしい～」
「そ～だそ～だぁ～」
「夕御飯、食べられなくなるからNO！」
残り時間を考えれば、あと一周かな。
そんな事を考えながらジュースを飲み、手元のスマホに目を落とします。
実は、このフードコートに屹立するジムこそ、息子の宿敵（自称）ハピナスの陣取るジム。
気づかれるわけにはいきません。

と、振動と共に一匹のポケモンが飛び出してきました。


毛むくじゃらの白い体毛に覆われ、ひょろりとした長い手足を伸ばした、お猿さんがモチーフのそのモンスター

『マンキー』
……う～ん。
そっちかぁ～。
まぁ、格闘は格闘なんですけどね。

残念ながら、あまり強くはありません。
進化先のオコリザルも、気性が荒いわりには強くなかったはず。

えぇ、わかります。
ポケモンは強さが全てじゃありません。
強くなくても愛があれば良いのです。

問題は……
息子にマンキーがいることを伝える→喜んでGETする→生き急いでハピナスに戦いを挑む→秒で敗北する→ぐずる。

これです。
間違いなく、これを辿ります。
こんな所で、ぐずられるのは、回りのお客さんに甚だ迷惑。
ここは、隠蔽する方が無難。

しかし、待望の格闘ポケモン。
これを教えないのは息子に対する裏切り行為。
父として許されるのか……

マンキーを見つけてから、この葛藤に到達するまで、わずか2秒……
よし！今なら気づかれていないし、見なかったことにして、そっと閉じよう！
ダークサイドが勝利するまで、コンマ3秒でした。

だって、ぐずられるとスゴい大変なんですもん（言い訳）



画面を閉じようとした瞬間、膝の上の娘が一言を発します。
「あっ！　おさるさんいるよ～」
っおい。

「え！　それ、もしかして格闘ポケモンじゃない！？」
椅子から飛び上がる息子

よぅし、おとうさんが悪かった。
頼むから、静かに立ってください。
仕方なく息子にスマホを渡すと、迷わず画面をタップします。

「やっぱり、ほら！　おとうさん、居たよ！　ぼく、図鑑で見たもん！」
おのれ、図鑑め（私が買いました）
図ったな、娘よ（私が膝に乗せました）

まぁ、図鑑で得た知識を活用したことは凄いですし、そこは我が息子ながら良く……
「初めてて見たよ！オコリザル」
「マンキーね」

マンキーに向かって勢いよくボールを投げる息子。
一時期より格段に様になってきています。

もう、こうなったら仕方ありません。
マンキーの頑張りに期待するのみです。
逃げろ、マンキー！

「やったぁ～！　一発GETだよ！」
がんばれよ、マンキー……

まぁ、GETしてしまったものは仕方ありません。
こうなったら、いち早く撤収……
「あ、ハピナスいる」
…………oh
何故こういう時だけ目ざといんだ。

「っよ～し、勝つぞ～」

「いやいやいや、まてまて」

「なんで？」

「いや、捕まえたばかりのマンキーじゃ、ハピナスには勝てないよ？」
ましてや、ここのハピナスはHP満タンです。

「だいじょうぶだよ！おとうさん！　だって、ハピナスは格闘が弱点だもん！　見ててよ～」



制限時間となったため、撤退することとなった車の中。

後部座席には、
すやすやと眠る娘と、
ぐずぐずと泣き続ける息子と、
瀕死になったマンキーがいました。



読んで頂いてありがとうございます！

この後も、息子は何度となくハピナスに挑み続けるのですが、ハピナスの壁は高かったですね。

無事、初勝利を納めるのは、まだまだまだまだ、ず～～っと先の事になりました。
次回は、休日のポケ活に、初めて娘が着いて来たお話を書こうと思います。

息子とは違った意味で大変な娘。
ふたり合わさると、それはもう……

どうぞ、よろしくお願い致します。