今あなたにオススメの人気記事
Sorry. No data so far.
今あなたにオススメの人気記事
Sorry. No data so far.
おすすめ人気記事
2020年01月27日
【息子初レイド】高校生に声をかけた「一緒にポケモンしよ!」カイリキー戦の結果は?⑪
毎週月曜日のお楽しみ!父と息子のポケ活記録をお届けします!
トランセルが好きで、ハピナスが永遠のライバルかわいい息子くんのポケ活と成長記録!
前回までのお話はこちらでご確認ください!
昔々、あるところに、ポケモンがとても大好きな男の子がいました。
彼は、白黒で跳び跳ねるポケモン達が好きで、すべてのポケモンを集めようと、毎日こつこつ頑張っていました。
ところが、ある日、一人では全てのポケモンを集められないことに気がついてしまいました……
男の子には、ポケモンをやっている友達も多くいました。
でも、引っ込み思案な男の子は、みんなに「一緒にポケモンをしよう」と言えませんでした。
男の子は、全種類のポケモンを集めることなく、そのゲームは今は動かないゲーム機といっしょに、棚で眠っています……
この日は、ショッピングモールでお買い物です。
妻と娘が買い物をしている間、私と息子は近くをぶらぶらしていることになりました。
地元では有名なスーパーマーケットを中心に、○ニクロ、雑貨屋、ゲームセンター、靴屋、マク○ナルド、子供服からドラッグストア等、様々なお店がアーケードのように軒を連ねています。
平日の昼後ということもあり、人通りはまばら。
学生さんがちらほらいます。
妻の買い物の内容を聞き、1時間30分後に集合と決めて、解散。
お決まりですが、私は息子とポケモンGOをすることになりました。
花壇を囲む円形の休憩場。
冬にはクリスマスツリーに変貌する大きな木の近くで息子にスマホを手渡します。
さて、画面を覗き込むと近くにはポケストップが1つ、マ○ドナルドさんにジムがひとつあります。
マクド○ルドさんの上には黄色の卵がゆらゆらしていました。
卵のタイマーは約30分
息子は、目の前にいるポケモン達を片っ端からGETしています。
最近になって、星のすなの重要性にも気がついたようです。
「よし! ボールが無くなった!」
何が良しなのか?
さっそく、マクド○ルドのジムを回します。
「今日の目標は?」
「ここにいるポケモン、全部捕まえる!」
壮大だな。
とりあえず、手持ちのボールが無くなるまでポケモンをGETする息子。
いえ、GET出来たのは1匹だけでしたが……
「もっといっぱい、わぁぁ~~って出ないかな? 」
「わぁぁ~~ってボールが?」
「ポケモンが」
球切れ起こしているのに、何を言う。
1往復して元の場所へ
良い運動になりますが、永遠と往復するのもちょっと疲れます。
力一杯、マクドナ○ドのジムディスクを回す息子。
回復アイテムとボールがひとつずつプレゼントされます。
「さっきより少ない! もうちょっと、こうだったかな? こう……右から……」
回し方で数が変わるわけではありませんが?
(さっきはこの日1回目のボーナスでした)
「息子? ちょっとお腹減らない?ここの……」
「ごめん、おとうさん。 僕は今、この1球に集中してるから!」
甲子園目指してるの?
渾身の1球を見事に打ち返された息子は、砂を集めることも無く、こちらを振り返りました。
「おとうさん、お腹すいたー!」
聞いてはいたんだね。
「マッ○行く人」
「はいっ!」
店内には、この季節にしては暖かそうな格好に身を包んだお爺さんがお一人と、男子高校生3人組のグループが1組だけ。
ハッピーセットとハンバーガー、ポテトとコーヒーを買って店内の席へ。
店内は空いているので、なるべく他の方の居ないスペースを選ぼうかと思ったのですが、息子が率先して窓際をキープ
ご老人と高校生グループの間です。
なぜ、あえてそこ……?
今さら「そこはちょっと……」と言うのも気まずいので、一応着席します。
騒がないでね?
テーブルを挟んで、息子の正面に腰を下ろしたのですが、息子はちょっと不満そうな顔をした後、テーブルを潜って私の隣へ移動してきました。 ねぇ、近くない?
「おとうさん、そろそろボール取れるんじゃない?」
まぁ、たしかに5分はたったかな。
ポケモンGOを起動すると息子に手渡します。
ジムディスクを回す息子。
手に入れたボールを秒で投げ終わりました。
「次は5分後だね。 それまで食べてなよ」
息子にハンバーガーを渡すと、画面を恨めしそうに眺めながらモグモグと食べています。
リスのようだ……
「ねぇ、おとうさん」
「まだ1分も経ってないよ?」
「違うよ! ほら、ここにも卵あるよ!」
……今さらですが、気がついてしまいましたか。
この日より数日前、近所の公園でレベル2のレイドポケモン、パルシェンにぼっこぼこにやられた息子
パルシェンの頑強な殻にまったく歯が立ちませんでした。
ましてや、ここにある卵はレベル4
勝てる見込みなど皆無です。
「ねぇ! おとうさん! 戦って良い? 戦って良いでしょ!」
ちょっと待って、近い
「ほら! もう時間がないよ! 3……2……1……」
え!? もうそんな時間!?
「659……658……」
どんなカウント?
手持ちの回復アイテムはまだありますが、なにぶん相手はレベル4
ゾンビアタックを仕掛けても時間切れでしょう。
(ゾンビアタック……倒された仲間を何度も蘇生して戦う戦法です)
「パルシェンよりずっと強いよ。勝てないと思うけど? それでもやる?」
「やる!」
こうなっては仕方ありません。
手元のハンバーガーとポテトを食べながら、残り時間を過ごすことにします。
私の地元では、レイドは、イ○ンか、大きな駅以外の場所では、人数不足で成立し無いことがほとんどです。
レベル5すら放置されるなか、レベル4では望むべくもありません……
残り時間が、刻々と減り、卵が大きく左右に揺れ始めました。
「おとうさん……」
「どうした?」
「トイレ!」
今か!?
スマホをしまい、ひとまずお手洗いへ
さくっと済ませて、席に戻ります。
両隣のお客様方、お騒がせして申し訳ありません。
さて、席に戻りスマホを見るとそこには4本腕のマッチョ……じゃなかった、ポケモンがいました。
格闘ポケモンで1、2を争う実力者(個人的な感想)カイリキーです。
おぉ……昔は通信交換しないと手に入らなかったのに、ポケモンGOではレイドで出るんですね。
少し感動します。
隣に座る息子がぐいぐい近づいてくるので、窓際に追い詰められながらスマホを渡します。
「……よし! 強そう!」
何が良しなのか……?
勝てないとGETチャレンジにいかない事を忘れていないかい?
孵化したてのタイミングでも参加人数は未だ0人
近所のカイリキー好きが寄ってきてくれることを期待したいところですが、厳しいでしょう。
「息子、確認しておくけどやっぱり勝てなs」
「レイドパス、いっけぇぇ!!」
聞いて?
準備画面に移行すると、選び出されるおすすめのポケモンたち。
ほぼ前回と変わっていません。
編成をいじり始める息子。
横から口を出す私
レイドは、個人で戦うジム戦と違い、他の方と一緒に戦うわけですから、弱いなりに持てる最高戦力で挑まなくては……
意外にもすんなりアドバイスを受け入れる息子。
最近お気に入りの、トランセルは格闘相手には相性が悪いため、今回もお休みになります。
制限時間が刻々と進みますが、他の参戦者は無し。
まぁ、仕方ありません。
レイド戦に移行し、バトルスター……負けました。
はい、途中経過を省略するくらいには、手も足も出ません。
一応、粘ってはいるのですが、与えるダメージが少なすぎます。
「おとうさん、タイム! 作戦たて直したい!」
作戦も何もありませんが?
一度撤退し、作戦会議
「おとうさん……どうやったら勝てるかな?」
率直に無理だと思うけど?
「トランセル……入れる?」
何の解決にもならないよ?
一度レイドパスを消費すれば、同じボスには時間内なら何度でも挑めますが、奇跡が起きても勝ち目はないでしょう。
少しぬるくなったコーヒーを一口飲んで、時計を見ます。
集合時間まで、まだ少しあります。
「お父さん、一度トイレに行ってくるけど、息子ここで待っていられる?」
「待ってられるよ~、ポケモンGOしてても良い? 作戦考えておくから」
「……いいけど。 ポケモンGO以外触っちゃだめだからね?」
しっかりと約束をさせて、席を離れます。
熱中するのは良いのですが、諦めの悪さには困ったものです。
用を済ませ、席に向かうと、何やらさっきより賑やかになったような……
「あとね! ナッシーがね~」
「そうなんだ~。どれどれ?」
「どうしよう。俺、息子君より強いのいないわ」
なんだ、息子が隣の高校生グループに交ざってポケモンGOしているだけか……
「っっって、おおおおいいいぃいいぃいいぃいっっ!!!!」
神速の競歩で席に近づく私。
「す、すすすすみません、すみません! うちの息子がっ!?」
「いやいや、全然だいじょうぶっすよ」
髪の毛を短く刈り上げた高校生たちが笑顔で対応してくれました。
なんでも、3人ともポケモンGOをプレイしていたそうで、それに気がついた息子が声をかけたそうです。
本っ当にすみません!!
息子が高校生達のテーブルに行ったので、一人でテーブルに着き、ポテトを噛ります。
なんだこれ……
しばらくして、息子が戻ってきました。
「お礼言ってきた?」
「うん! 今からみんなでカイリキーやる!」
まじか!?
再びカイリキーの準備画面に移行します。
人数は4人
皆ランクは20くらいでした。
確実に息子より強いですが、やり込んでいるという感じでも無いようです。
レイド開始
カイリキーの攻撃でじりじり削られる息子のポケモンたち。
回避など考えず、ひたすら画面をタップする息子
(そもそも回避教えてないんですけど)
一度全滅すると、回復お願いとばかりにスマホをこちらに手渡してきます。
手伝ってもらっている以上、アイテムの出し惜しみなど、していられません。
全回復して送り出すことに。
即座に参戦する息子のポケモンたち。
しかし、削り切るにはわずかに足りず。
時間切れになってしまいました。
「あぁ~、おしいぃ」
「もうちょっとだな~」
「次はいけるんじゃない?」
お兄さん達のテーブルへ駆けていく息子。 第2次作戦会議が始まったみたいです。
「元気な息子さんですなぁ」
後ろを振り返ると、隣の席のご老人が、にこやかにこちらを眺めています。
「あ、すみません。 騒がしくして……」
「いやいや、気になさらないでください。 子供は元気でなくてはね」
そう言って微笑むご老人に、お礼ともお詫びとも言えない返事をしていると、息子が戻ってきました。
「おとうさん! もう一回やるから回復して!」
やることになったんかい。
高校生達に確認すると、もう一戦してくれることで間違いないそうです。
お礼を言い、ポケモンたちを回復させます。
さて……とはいえ、さっきの感じを見るに、素直に再戦しても勝てるかどうかは、かなり微妙なところです。
お兄さんたちに隠し玉でも無ければ、同じ結果になってしまいそうです。
回復アイテムはあと1回分……困ったな。
「あっ! 増えてる!」
何が?
画面を見ると、参加人数が5人に増えています。
なんで!?
近所のカイリキー好きが参戦してくれたんでしょうか?
何はともあれ、これなら……
開始される3回戦
何度倒しても諦めない、このちっこい挑戦者に音を上げたのか、天を見上げながら縮んでいくカイリキー
皆さんの協力を得て、見事、レイド初勝利を達成しました。
「おぉ!」
「やった!」
お兄さん達のテーブルからも歓声が上がります。
良かったな、息子
「あぁあ!やっちゃったぁ!」
突然、テーブルに突っ伏す息子
なに?どうしたの?
「ボール無いんだったぁ!」
あぁ、そういう……
「ボールなら、特別なのがもらえるんだよ?」
手元で回る白いボールに気がついたようです。
「ほんとだ! マスターボールだ!」
違うよ?プレミアムボールね?
三度お兄さん達のテーブルに行き、一緒にGETチャレンジに勤しむ息子。
忙しいな、おい。
さて……と。
私はレジに行き、ポテトのLとナゲットをいくつか買うと、お礼を言いながら高校生グループに差し入れます。
GETチャレンジは、なんと全員が成功したらしく、ちょっとしたお祝いが開催されていました。
なにこの一体感
一人、席に戻ると、先程のご老人が席を立ち、退席するところでした。
ご老人に道を譲ると同時に、息子がダッシュで戻ってきます。
「おじいちゃん、またね~」
「またね」
と、手を振り退店するご老人
なに? どうしたの?
「知っている人?」
「ううん? 知らない人」
そのコミュ力はなんなんだい?
高校生のお兄さん達に別れを告げ、妻達との待ち合わせ場所に移動します。
私の手の中で震えたスマホが、『あと5分待たれよ』という妻からのメッセージを受信します。
ふと、窓の外を見ると、先程の高校生グループが帰っていくところでした。
気がついた息子が、精一杯手を振っています。
それにしても……
息子が元気よく戻ってきました。
「おとうさん!」
なに?
「ポケモン、すっっごく楽しいね! 知ってた?」
「……そうだなぁ、お父さんは知……」
「あ!おかあさんだ!」
私の回答を聞かずに、息子は妻と娘の元に駆け出して行きました。
早速、今日の報告をしているようです。
「今日ね! お兄ちゃん達とおじいちゃんと、一緒にポケモンだったんだよ!」
「何の話?」
「とっても楽しかった話!」
読んで頂いて、ありがとうございます。
息子と私の大きな違い
息子のコミュ力が、遺憾無く発揮されたレイド戦でした。 まさか隣の席の人を誘うとは…… 当時お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
ちなみに、息子は5人目の参戦者が、後ろの席のご老人だと言って聞かないのですが、定かではありません。
どうなんでしょう?
さて、次は息子が初めてコミュニティデイに参加した時のお話を書こうと思います。
ゲームの性質上しかたないのですが、とにかく歩きました。
どうぞ、よろしくお願い致します。
大人ではいろんなプライドや羞恥心が邪魔してなかなか自分から声かけることは難しい人も多いのでは?
明るく無邪気な息子くんだからこそできる、コミュニケーション!
羨ましくて、コミュ障の私にとっては憧れの存在。
5人目に参戦してくれた救世主はおじいさんだったのでしょうか・・・!?!?
すくすく素直にこのまま素敵な大人になってほしい、ポケモンGOの本当の楽しみ方を息子くんのプレイスタイルをみていると思い出すことが出来ます。
前回から使ってる親子ピカチュウ描いたんです!イメージなんです!似てませんか?!?!?!笑
#php include( TEMPLATEPATH . '/ad/Adsense_PC_article_A.php' ); ?>
トランセルが好きで、ハピナスが永遠のライバルかわいい息子くんのポケ活と成長記録!
前回までのお話はこちらでご確認ください!
息子くんの周りを巻き込む力!炸裂!
昔々、あるところに、ポケモンがとても大好きな男の子がいました。
彼は、白黒で跳び跳ねるポケモン達が好きで、すべてのポケモンを集めようと、毎日こつこつ頑張っていました。
ところが、ある日、一人では全てのポケモンを集められないことに気がついてしまいました……
男の子には、ポケモンをやっている友達も多くいました。
でも、引っ込み思案な男の子は、みんなに「一緒にポケモンをしよう」と言えませんでした。
男の子は、全種類のポケモンを集めることなく、そのゲームは今は動かないゲーム機といっしょに、棚で眠っています……
『息子らしくレイドバトルをした時のお話』
この日は、ショッピングモールでお買い物です。
妻と娘が買い物をしている間、私と息子は近くをぶらぶらしていることになりました。
地元では有名なスーパーマーケットを中心に、○ニクロ、雑貨屋、ゲームセンター、靴屋、マク○ナルド、子供服からドラッグストア等、様々なお店がアーケードのように軒を連ねています。
平日の昼後ということもあり、人通りはまばら。
学生さんがちらほらいます。
妻の買い物の内容を聞き、1時間30分後に集合と決めて、解散。
お決まりですが、私は息子とポケモンGOをすることになりました。
花壇を囲む円形の休憩場。
冬にはクリスマスツリーに変貌する大きな木の近くで息子にスマホを手渡します。
さて、画面を覗き込むと近くにはポケストップが1つ、マ○ドナルドさんにジムがひとつあります。
マクド○ルドさんの上には黄色の卵がゆらゆらしていました。
卵のタイマーは約30分
息子は、目の前にいるポケモン達を片っ端からGETしています。
最近になって、星のすなの重要性にも気がついたようです。
「よし! ボールが無くなった!」
何が良しなのか?
さっそく、マクド○ルドのジムを回します。
「今日の目標は?」
「ここにいるポケモン、全部捕まえる!」
壮大だな。
とりあえず、手持ちのボールが無くなるまでポケモンをGETする息子。
いえ、GET出来たのは1匹だけでしたが……
「もっといっぱい、わぁぁ~~って出ないかな? 」
「わぁぁ~~ってボールが?」
「ポケモンが」
球切れ起こしているのに、何を言う。
1往復して元の場所へ
良い運動になりますが、永遠と往復するのもちょっと疲れます。
力一杯、マクドナ○ドのジムディスクを回す息子。
回復アイテムとボールがひとつずつプレゼントされます。
「さっきより少ない! もうちょっと、こうだったかな? こう……右から……」
回し方で数が変わるわけではありませんが?
(さっきはこの日1回目のボーナスでした)
「息子? ちょっとお腹減らない?ここの……」
「ごめん、おとうさん。 僕は今、この1球に集中してるから!」
甲子園目指してるの?
渾身の1球を見事に打ち返された息子は、砂を集めることも無く、こちらを振り返りました。
「おとうさん、お腹すいたー!」
聞いてはいたんだね。
「マッ○行く人」
「はいっ!」
店内には、この季節にしては暖かそうな格好に身を包んだお爺さんがお一人と、男子高校生3人組のグループが1組だけ。
ハッピーセットとハンバーガー、ポテトとコーヒーを買って店内の席へ。
店内は空いているので、なるべく他の方の居ないスペースを選ぼうかと思ったのですが、息子が率先して窓際をキープ
ご老人と高校生グループの間です。
なぜ、あえてそこ……?
今さら「そこはちょっと……」と言うのも気まずいので、一応着席します。
騒がないでね?
テーブルを挟んで、息子の正面に腰を下ろしたのですが、息子はちょっと不満そうな顔をした後、テーブルを潜って私の隣へ移動してきました。 ねぇ、近くない?
「おとうさん、そろそろボール取れるんじゃない?」
まぁ、たしかに5分はたったかな。
ポケモンGOを起動すると息子に手渡します。
ジムディスクを回す息子。
手に入れたボールを秒で投げ終わりました。
「次は5分後だね。 それまで食べてなよ」
息子にハンバーガーを渡すと、画面を恨めしそうに眺めながらモグモグと食べています。
リスのようだ……
「ねぇ、おとうさん」
「まだ1分も経ってないよ?」
「違うよ! ほら、ここにも卵あるよ!」
……今さらですが、気がついてしまいましたか。
この日より数日前、近所の公園でレベル2のレイドポケモン、パルシェンにぼっこぼこにやられた息子
パルシェンの頑強な殻にまったく歯が立ちませんでした。
ましてや、ここにある卵はレベル4
勝てる見込みなど皆無です。
「ねぇ! おとうさん! 戦って良い? 戦って良いでしょ!」
ちょっと待って、近い
「ほら! もう時間がないよ! 3……2……1……」
え!? もうそんな時間!?
「659……658……」
どんなカウント?
手持ちの回復アイテムはまだありますが、なにぶん相手はレベル4
ゾンビアタックを仕掛けても時間切れでしょう。
(ゾンビアタック……倒された仲間を何度も蘇生して戦う戦法です)
「パルシェンよりずっと強いよ。勝てないと思うけど? それでもやる?」
「やる!」
こうなっては仕方ありません。
手元のハンバーガーとポテトを食べながら、残り時間を過ごすことにします。
私の地元では、レイドは、イ○ンか、大きな駅以外の場所では、人数不足で成立し無いことがほとんどです。
レベル5すら放置されるなか、レベル4では望むべくもありません……
残り時間が、刻々と減り、卵が大きく左右に揺れ始めました。
「おとうさん……」
「どうした?」
「トイレ!」
今か!?
スマホをしまい、ひとまずお手洗いへ
さくっと済ませて、席に戻ります。
両隣のお客様方、お騒がせして申し訳ありません。
さて、席に戻りスマホを見るとそこには4本腕のマッチョ……じゃなかった、ポケモンがいました。
格闘ポケモンで1、2を争う実力者(個人的な感想)カイリキーです。
おぉ……昔は通信交換しないと手に入らなかったのに、ポケモンGOではレイドで出るんですね。
少し感動します。
隣に座る息子がぐいぐい近づいてくるので、窓際に追い詰められながらスマホを渡します。
「……よし! 強そう!」
何が良しなのか……?
勝てないとGETチャレンジにいかない事を忘れていないかい?
孵化したてのタイミングでも参加人数は未だ0人
近所のカイリキー好きが寄ってきてくれることを期待したいところですが、厳しいでしょう。
「息子、確認しておくけどやっぱり勝てなs」
「レイドパス、いっけぇぇ!!」
聞いて?
準備画面に移行すると、選び出されるおすすめのポケモンたち。
ほぼ前回と変わっていません。
編成をいじり始める息子。
横から口を出す私
レイドは、個人で戦うジム戦と違い、他の方と一緒に戦うわけですから、弱いなりに持てる最高戦力で挑まなくては……
意外にもすんなりアドバイスを受け入れる息子。
最近お気に入りの、トランセルは格闘相手には相性が悪いため、今回もお休みになります。
制限時間が刻々と進みますが、他の参戦者は無し。
まぁ、仕方ありません。
レイド戦に移行し、バトルスター……負けました。
はい、途中経過を省略するくらいには、手も足も出ません。
一応、粘ってはいるのですが、与えるダメージが少なすぎます。
「おとうさん、タイム! 作戦たて直したい!」
作戦も何もありませんが?
一度撤退し、作戦会議
「おとうさん……どうやったら勝てるかな?」
率直に無理だと思うけど?
「トランセル……入れる?」
何の解決にもならないよ?
一度レイドパスを消費すれば、同じボスには時間内なら何度でも挑めますが、奇跡が起きても勝ち目はないでしょう。
少しぬるくなったコーヒーを一口飲んで、時計を見ます。
集合時間まで、まだ少しあります。
「お父さん、一度トイレに行ってくるけど、息子ここで待っていられる?」
「待ってられるよ~、ポケモンGOしてても良い? 作戦考えておくから」
「……いいけど。 ポケモンGO以外触っちゃだめだからね?」
しっかりと約束をさせて、席を離れます。
熱中するのは良いのですが、諦めの悪さには困ったものです。
用を済ませ、席に向かうと、何やらさっきより賑やかになったような……
「あとね! ナッシーがね~」
「そうなんだ~。どれどれ?」
「どうしよう。俺、息子君より強いのいないわ」
なんだ、息子が隣の高校生グループに交ざってポケモンGOしているだけか……
「っっって、おおおおいいいぃいいぃいいぃいっっ!!!!」
神速の競歩で席に近づく私。
「す、すすすすみません、すみません! うちの息子がっ!?」
「いやいや、全然だいじょうぶっすよ」
髪の毛を短く刈り上げた高校生たちが笑顔で対応してくれました。
なんでも、3人ともポケモンGOをプレイしていたそうで、それに気がついた息子が声をかけたそうです。
本っ当にすみません!!
息子が高校生達のテーブルに行ったので、一人でテーブルに着き、ポテトを噛ります。
なんだこれ……
しばらくして、息子が戻ってきました。
「お礼言ってきた?」
「うん! 今からみんなでカイリキーやる!」
まじか!?
再びカイリキーの準備画面に移行します。
人数は4人
皆ランクは20くらいでした。
確実に息子より強いですが、やり込んでいるという感じでも無いようです。
レイド開始
カイリキーの攻撃でじりじり削られる息子のポケモンたち。
回避など考えず、ひたすら画面をタップする息子
(そもそも回避教えてないんですけど)
一度全滅すると、回復お願いとばかりにスマホをこちらに手渡してきます。
手伝ってもらっている以上、アイテムの出し惜しみなど、していられません。
全回復して送り出すことに。
即座に参戦する息子のポケモンたち。
しかし、削り切るにはわずかに足りず。
時間切れになってしまいました。
「あぁ~、おしいぃ」
「もうちょっとだな~」
「次はいけるんじゃない?」
お兄さん達のテーブルへ駆けていく息子。 第2次作戦会議が始まったみたいです。
「元気な息子さんですなぁ」
後ろを振り返ると、隣の席のご老人が、にこやかにこちらを眺めています。
「あ、すみません。 騒がしくして……」
「いやいや、気になさらないでください。 子供は元気でなくてはね」
そう言って微笑むご老人に、お礼ともお詫びとも言えない返事をしていると、息子が戻ってきました。
「おとうさん! もう一回やるから回復して!」
やることになったんかい。
高校生達に確認すると、もう一戦してくれることで間違いないそうです。
お礼を言い、ポケモンたちを回復させます。
さて……とはいえ、さっきの感じを見るに、素直に再戦しても勝てるかどうかは、かなり微妙なところです。
お兄さんたちに隠し玉でも無ければ、同じ結果になってしまいそうです。
回復アイテムはあと1回分……困ったな。
「あっ! 増えてる!」
何が?
画面を見ると、参加人数が5人に増えています。
なんで!?
近所のカイリキー好きが参戦してくれたんでしょうか?
何はともあれ、これなら……
開始される3回戦
何度倒しても諦めない、このちっこい挑戦者に音を上げたのか、天を見上げながら縮んでいくカイリキー
皆さんの協力を得て、見事、レイド初勝利を達成しました。
「おぉ!」
「やった!」
お兄さん達のテーブルからも歓声が上がります。
良かったな、息子
「あぁあ!やっちゃったぁ!」
突然、テーブルに突っ伏す息子
なに?どうしたの?
「ボール無いんだったぁ!」
あぁ、そういう……
「ボールなら、特別なのがもらえるんだよ?」
手元で回る白いボールに気がついたようです。
「ほんとだ! マスターボールだ!」
違うよ?プレミアムボールね?
三度お兄さん達のテーブルに行き、一緒にGETチャレンジに勤しむ息子。
忙しいな、おい。
さて……と。
私はレジに行き、ポテトのLとナゲットをいくつか買うと、お礼を言いながら高校生グループに差し入れます。
GETチャレンジは、なんと全員が成功したらしく、ちょっとしたお祝いが開催されていました。
なにこの一体感
一人、席に戻ると、先程のご老人が席を立ち、退席するところでした。
ご老人に道を譲ると同時に、息子がダッシュで戻ってきます。
「おじいちゃん、またね~」
「またね」
と、手を振り退店するご老人
なに? どうしたの?
「知っている人?」
「ううん? 知らない人」
そのコミュ力はなんなんだい?
高校生のお兄さん達に別れを告げ、妻達との待ち合わせ場所に移動します。
私の手の中で震えたスマホが、『あと5分待たれよ』という妻からのメッセージを受信します。
ふと、窓の外を見ると、先程の高校生グループが帰っていくところでした。
気がついた息子が、精一杯手を振っています。
それにしても……
息子が元気よく戻ってきました。
「おとうさん!」
なに?
「ポケモン、すっっごく楽しいね! 知ってた?」
「……そうだなぁ、お父さんは知……」
「あ!おかあさんだ!」
私の回答を聞かずに、息子は妻と娘の元に駆け出して行きました。
早速、今日の報告をしているようです。
「今日ね! お兄ちゃん達とおじいちゃんと、一緒にポケモンだったんだよ!」
「何の話?」
「とっても楽しかった話!」
~あとがき~
読んで頂いて、ありがとうございます。
息子と私の大きな違い
息子のコミュ力が、遺憾無く発揮されたレイド戦でした。 まさか隣の席の人を誘うとは…… 当時お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
ちなみに、息子は5人目の参戦者が、後ろの席のご老人だと言って聞かないのですが、定かではありません。
どうなんでしょう?
さて、次は息子が初めてコミュニティデイに参加した時のお話を書こうと思います。
ゲームの性質上しかたないのですが、とにかく歩きました。
どうぞ、よろしくお願い致します。
管理人コメント
大人ではいろんなプライドや羞恥心が邪魔してなかなか自分から声かけることは難しい人も多いのでは?
明るく無邪気な息子くんだからこそできる、コミュニケーション!
羨ましくて、コミュ障の私にとっては憧れの存在。
5人目に参戦してくれた救世主はおじいさんだったのでしょうか・・・!?!?
すくすく素直にこのまま素敵な大人になってほしい、ポケモンGOの本当の楽しみ方を息子くんのプレイスタイルをみていると思い出すことが出来ます。
前回から使ってる親子ピカチュウ描いたんです!イメージなんです!似てませんか?!?!?!笑
みんなのコメント
月曜日のポケ活日記
楽しみにしています❗
カイリキーレイド 頑張ったね
ポケ活の初心を思い出します?
フレンドさんが出来たら
更に楽しいよね?
バトル終了と共に去っていく爺さん、カッケェェェッ!?(確定事項)。
ちょっと近くのマックに行ってこよう
毎回読むのが楽しみです。プッと吹き出したり、思わずウルッときたり…
お父さんの書き方が面白い。何度も読み返しています!
カイリキー戦の続きを読みたいのですが、まだですか?首を長~くして(アローラナッシーのように)待っています。これからもよろしくお願いします!
コメントを書く
ツイート |
コラムカテゴリの関連記事
おすすめ人気記事
あの限られたボールで成功したんか…良かったなぁ!
ちょうど今日少人数でラティオス倒せなくて何回かレイドバトルやったから、やっと勝てた時はほんとに嬉しいの分かるわ。