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2020年02月17日
【初めてのジム防衛】配置したポケモンにあげるきのみは・・・! ⑬
毎週月曜日のお楽しみ!
一週間お休みさせていただいていた、父と息子のポケ活記録をお届けします!
前回はヨーギラスコミュニティデイに初めて参加したときの思い出。
実はコミュニティデイ中にも 前回までのお話はこちらでご確認ください!
「ヨーギラスはどこかな~? よ~お~ぎ~ら~す~」
今日は待ちに待ったヨーギラスのコミュニティ・デイです。
(前回のお話と同じ日のお話しです。 前話のオチも含みますので、もし良ければ前話から読んでいただけると嬉しいです)
さて、今日はコミュニティ・デイ当日ですが……
「まだ早いよ。 開始時間じゃないから、ヨーギラスはいないよ」
地元の、小さな駅前を歩いていた息子が振り返りました。
「早いってどのくらい?」
「2時間くらい」
「2時間も……」
早すぎると思われるかも知れませんが、そうではないのです!
何せ、ここから電車を乗り継ぎ、私の住んでいる地域では最大級の街まで移動しなくてはなりません。
何なら準備に手間取って遅れてしまったくらいです。
スマホを返してもらえなかったため、駅に貼ってある時刻表を確認し、電車の時間まで、まだ余裕がある事に安堵します。
時間帯によっては、1時間に1本とかですからね。
乗り遅れると大変です。
息子の手洗いを済ませた後、改札をくぐりベンチに腰を下ろして、電車を待つことにします。
座った瞬間にポケモンGOを要求する息子に、スマホを手渡すと、自販機で購入した缶コーヒーを開けます。
いやぁ、時間に余裕があるって良いですね……
「 おとうさん! ヨーギラス見つけたよ!」
ええっ!?
口の中のコーヒーにムセながら、息子の持つスマホを覗き込みます。
開始時間は何回も確認したのに、まさかもう始まって……
「……息子?」
「なに?」
「これは……あれだね」
「なになに?」
「ワニノコだね」
「ワニノコ……?」
「ワニノコ」
「…………似てるよね」
「…………似てる……かな?」
「さっきは、似てたんだもん……」
「どんまい、息子。 間違えることもあるさ」
でも、正直、似てないでしょ
「おとうさん、全部捕まえたよ!」
恥ずかしさのあまり(?)駅周辺のポケモンを、大急ぎで全部捕まえ終わった息子が、誇らしげに画面をこちらに向けてきます。
「すごいじゃん、やったね!」
「まあね! ボールはいっぱい使ったけどね!」
そこは温存してほしかった……
せめて少しでもボールを回収しようかと、この駅にあるジムの範囲に移動します。
「おっ!」
運の良いことに、そこは同じチームのジム。
さらに席が3つ空いているではありませんか。
ジムバトルの発生しにくい地域にあって、駅というのは比較的、人の留まりやすい場所です。
次の電車まで30分程の待ち時間があれば、普段バトルを行わないトレーナー達も暇潰しに参戦するくらいには激戦区(?)となっているところが多くあります。
ここもご多分に漏れず、比較的入れ替わりの激しいジム
ポケモン達の滞在時間を見れば、前の電車にトレーナー達が乗って行ったであろう事が推察されます。
コミュニティデイに行くのかな?
会ったことの無い同チームの仲間達に親近感を覚えながら、スマホを息子に見せます。
「見てごらん、息子。 ラッキーだね」
画面を見た息子は、ちょっと不遜な笑顔を浮かべています
なに?
「違うよ、おとうさん。 それはハピナスって言うんだよ」
「……いや、いやいや、そういうことじゃなくて! なんで、どや顔なの!? お父さん間違った訳じゃないからね!?」
「どんまい、おとうさん。 間違える事もあるよ」
この……
芽生えた殺意を、空に向けて誤魔化すことにします。
今日も天気が良いなぁ……
「それはともかく、息子? ここにポケモン置けるよ?」
「え! どこに!?」
辺りを見渡す息子。
まてまて、どこに置く気だ?
線路上に置きポケモンなんて、絶対にダメだからね?
ジムへのポケモンの置き方をかい摘まんで説明します。
「ジムのポケモンって、人のだったんだね」
そこからだったんだね。
「ここは、同じチームのジムで、まだ6匹揃ってないから、息子も1匹置いて良いんだよ」
「え! いいの!? 置く置く」
どれにしようかな~、と、スマホ画面を覗き込んでいます。
遠くの方で踏み切りの鳴る音が聞こえてきました。
「あ、息子? そろそろ電車来るからね。 少し急いでね」
「おとうさん、どれでも良いの?」
どれでも良いかと言われれば、どれでも置けますが……
「なるべく強い方が倒されにくいよ。 で、出来れば防御力が高いの。 あ、もう置いてあるポケモンは置けないからね」
焦りで早口になってしまいましたが、このアドバイスは難しかったでしょう……
「ジムにいなくて……防御が得意で……強いの…………あっ! トランs」
「ラッキー置いておいて!」
4匹目にラッキーを置いた後、ホームに滑り込んで来た電車に、何食わぬ顔で乗り込みます。
通勤、通学時間を外した電車の中は、空席の方が多く、席は選び放題です。
ホームが見える席に陣取った息子が、窓の外を眺めて言いました。
「あそこにラッキーいるんだよね?」
「ん?そうだね。 帰ってくるまでジム守ってくれてるといいね」
「そうだね!応援しなきゃね」
「うん? 」
先程も言った通り、人が留まりやすい駅での防衛は難しいのですが、まぁ、心の中で応援し……
「らっきーーーっ!! がんばってねーーー!!」
「ちょおぉぉい!? せめて、心の中で応援してくれるっ!?」
電車内で大変ご迷惑をお掛け致しました…………
折角のヨーギラス祭りが、何をどう間違えたのか、エラー祭りになってしまったこの日。
夕暮れのホームに停止した電車から、1番最後に降りた私達は、とぼとぼと改札を抜けて帰路に着きます。
いや、とぼとぼしているのは私だけで、息子は元気でしたけれど。
あんなに歩き回ったのに……
「ねえ、おとうさん! ハピナスがどうなったか見たい!」
「ハピナス?」
「朝、ジムに置いたじゃん!」
あぁ!置いたねそういえば!
ヨーギラスショックですっかり忘れてたよ!
あと、君が置いたのはハピナスじゃなくてラッキーだけどね!
駅前にあるよく分からないモニュメントの前に移動し、スマホを手渡します。
ここからなら、先程のジムに届くのです。
「ラッキー元気かな~? あ!うんうん、まだがんばってる!」
私の予想に反して、ラッキーはまだジムを守り続けていたようです。
「でも、ハートが減ってる! どうしよう! ねえどうしよう!! おとうさん!どうしよう!!?」
よし落ち着いて。
大量に余っているバナナをあげると良いよと、アドバイスを送ります。
間髪いれずにラスト1個の『ズリの実』を放り投げる息子。
いや、待てぇい。それどう見てもブドウでしょ!?
「あ、そっか! ごめん、ラッキー。 今の返してくれない?」
そういう制度は無いんだよ。
ほら、ラッキー困ってるでしょ……
捕獲率の低い息子の為に、パイルの実(パイナップル)は残しておきます。
カイリキーレイドで手にいれた、貴重な金のズリの実などもっての他。
息子の投げるバナナを食べて、ぐんぐんやる気を回復していくラッキー。
あっという間に、全回復です。
じっと、画面を見つめている息子。
じっと、画面を……
じーっと…………
「どうした?」
「お腹減ったら、すぐにバナナをあげようと思って」
「そんなに直ぐには減らないよ?」
燃費悪すぎでしょう?
「そうなの? じゃあ、お腹が減った時用に、バナナいっぱい置いて行こうかな」
「お供えか? ラッキー困るから、やめてあげてね」
分かったのか、分かっていないのか、
じっと、画面を見つめている息子。
じっと、画面を……
じーっと…………
「……どうしたの?」
「がんばれって言っておいた!」
おぉ!心の中で言えるようになったのか!
ちょっと感激……
「がんばれ~、がんばれラッキー!明日また来るからね~」
ナンデモナイデス
大声じゃなかったので、まぁ良しとしますが、明日は来ないよ?
おとうさん仕事だし。
っていうか、明日までいたら防衛時間凄いことになってるだろうし。
「あ、息子。 他のポケモンにもバナナあげていいよ」
「え!いいの!」
防衛時間の差は、電車1本分
ここは、全員全回復して限界までの防衛を目指しましょう。
バナナ(ナナの実)はまだありますしね。
「がんばれ~ハピナス!今日は仲間だぞ!」
いつも戦ってるハピナスとは、違う個体だからね?
「カビゴンもがんばれ~!好きなだけ食べて良いぞ~」
原作設定だったら、ヤバイことになるけどね
「あと……鳥の?なにこれ? よくわかんないけど、がんばれ~」
色々とひどくない?
全ポケモンにバナナを配り終えたのか、3mほど離れたところで他人のふりをしていた私のところに小走りで戻ってきました。
「みんなにバナナあげられた?」
「うん! 全部あげてきた!」
全部あげたの!?
「まぁ、いいか。 それじゃあ、そろそろ帰るよ」
「うん! でもここに、ヨーギラスがいたよ!」
……うん?
崩れ落ちる私を横目に、そそくさと距離を開ける息子。
「そ、そういえば、ラッキーどうなったかな? ね? ね?」
「知らん……」
話題の変え方が雑すぎます……
まぁ、やってしまったものは仕方ありません。
気持ちを切り替えて……切り……替えて……バンギラス欲しかったなぁ~~~~~
「ねえ、おとうさん! ハピナスに木の実あげに行こうよ!」
「いや、行かないよ! そろそろ夕御飯だよ!」
「夕御飯とラッキー、どっちが大事なの!?」
なにその2択!?
夕御飯と即答しても良いですが、よりめんどくさくなる気がします。
何か良い手は……そうだ!
テーブルに置いてある、持ってきたばかりの缶チューハイを、息子の目線より高く持ち上げると、軽く左右に振って見せます。
「ほら、お父さんお酒のんじゃったんだよ。 もう運転しちゃいけないんだよ」
ぐっと言葉につまる息子。
視線をスマホに戻します。
(かかった! 今だ!)
息子の視線が外れた瞬間に、缶チューハイのプルタブを開け、一気に半分近く飲みます。
くるっと振り返る息子
「おとうさん、お酒、今、開けなかった?」
「何が?」
もはや証拠など残っておらんよ。
まだまだだな、息子
勝利の美酒というやつを、大きく口に含みま
「あ、ここからでも木の実あげられるや」
吹き出すかと思いました。
正直申しまして、ジムにポケモンを置いたことのなかった私は、自宅から木の実があげられることを、この時、初めて知ったのです。
攻略サイト、ちゃんと読んでおけば良かった。
「あげていい? あげていいよね?」
こうなったら、収集つきません。
「1個だけね」
と、釘を差し、お酒をちびちびと煽ります。
何せ、防衛時間はまもなく8時間。
それ以上は滞在してもコインは貰えないと攻略サイトで読んだ記憶があります。
ここで、大量に木の実を使うのは得策ではありません。
「おとうさん! あげたよ!」
「よしよし、じゃあ、あと終わりにして、夕御飯ね」
「は~い」
まったく、手間をかけさせお……
ここで、強烈な違和感を覚えました。
素直すぎない?
ここは、普段なら、もう一個あげたい!もう一個!!
とか、せがんでくるパターンのはずです。
何かが……おかしい……
「息子?」
「なに?」
「あげた木の実は1個ずつだよね?」
「そうだよ?」
この顔は……まず、嘘は言っていないでしょう。
いや、待てよ。
あの時……駅前で何と言っていたか……たしか、バナナは……
そして、パイナップルは、ヨーギラスに……
お酒の入った頭で、うまく考えがまとまりませんが、嫌な予感しかしません。
「息子? ラッキー達は回復したの?」
「うん! 回復したよ! 1個あげたらぎゅーんって満タンになったんだよ!」
……それは、まさか
「すごいよね! あの黄色いブドウ!」
それは……金のズリの実だよね……
今回のお話は、前回のお話と同じ日の出来事です。
最初はまとめて1話にしていたのですが、文字数が凄いことになってしまったので分けさせていただきました。
前の話も読んでいただけたら嬉しいです。
さて、次回は「ジムにポケモンを置きまくったお話」を書かせていただこうと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
#php include( TEMPLATEPATH . '/ad/Adsense_PC_article_A.php' ); ?>
一週間お休みさせていただいていた、父と息子のポケ活記録をお届けします!
前回はヨーギラスコミュニティデイに初めて参加したときの思い出。
実はコミュニティデイ中にも 前回までのお話はこちらでご確認ください!
ヨーギラスコミュニティデイ
「ヨーギラスはどこかな~? よ~お~ぎ~ら~す~」
今日は待ちに待ったヨーギラスのコミュニティ・デイです。
(前回のお話と同じ日のお話しです。 前話のオチも含みますので、もし良ければ前話から読んでいただけると嬉しいです)
さて、今日はコミュニティ・デイ当日ですが……
「まだ早いよ。 開始時間じゃないから、ヨーギラスはいないよ」
地元の、小さな駅前を歩いていた息子が振り返りました。
「早いってどのくらい?」
「2時間くらい」
「2時間も……」
早すぎると思われるかも知れませんが、そうではないのです!
何せ、ここから電車を乗り継ぎ、私の住んでいる地域では最大級の街まで移動しなくてはなりません。
何なら準備に手間取って遅れてしまったくらいです。
スマホを返してもらえなかったため、駅に貼ってある時刻表を確認し、電車の時間まで、まだ余裕がある事に安堵します。
時間帯によっては、1時間に1本とかですからね。
乗り遅れると大変です。
息子の手洗いを済ませた後、改札をくぐりベンチに腰を下ろして、電車を待つことにします。
座った瞬間にポケモンGOを要求する息子に、スマホを手渡すと、自販機で購入した缶コーヒーを開けます。
いやぁ、時間に余裕があるって良いですね……
「 おとうさん! ヨーギラス見つけたよ!」
ええっ!?
口の中のコーヒーにムセながら、息子の持つスマホを覗き込みます。
開始時間は何回も確認したのに、まさかもう始まって……
「……息子?」
「なに?」
「これは……あれだね」
「なになに?」
「ワニノコだね」
「ワニノコ……?」
「ワニノコ」
「…………似てるよね」
「…………似てる……かな?」
「さっきは、似てたんだもん……」
「どんまい、息子。 間違えることもあるさ」
でも、正直、似てないでしょ
「おとうさん、全部捕まえたよ!」
恥ずかしさのあまり(?)駅周辺のポケモンを、大急ぎで全部捕まえ終わった息子が、誇らしげに画面をこちらに向けてきます。
「すごいじゃん、やったね!」
「まあね! ボールはいっぱい使ったけどね!」
そこは温存してほしかった……
せめて少しでもボールを回収しようかと、この駅にあるジムの範囲に移動します。
「おっ!」
運の良いことに、そこは同じチームのジム。
さらに席が3つ空いているではありませんか。
ジムバトルの発生しにくい地域にあって、駅というのは比較的、人の留まりやすい場所です。
次の電車まで30分程の待ち時間があれば、普段バトルを行わないトレーナー達も暇潰しに参戦するくらいには激戦区(?)となっているところが多くあります。
ここもご多分に漏れず、比較的入れ替わりの激しいジム
ポケモン達の滞在時間を見れば、前の電車にトレーナー達が乗って行ったであろう事が推察されます。
コミュニティデイに行くのかな?
会ったことの無い同チームの仲間達に親近感を覚えながら、スマホを息子に見せます。
「見てごらん、息子。 ラッキーだね」
画面を見た息子は、ちょっと不遜な笑顔を浮かべています
なに?
「違うよ、おとうさん。 それはハピナスって言うんだよ」
「……いや、いやいや、そういうことじゃなくて! なんで、どや顔なの!? お父さん間違った訳じゃないからね!?」
「どんまい、おとうさん。 間違える事もあるよ」
この……
芽生えた殺意を、空に向けて誤魔化すことにします。
今日も天気が良いなぁ……
「それはともかく、息子? ここにポケモン置けるよ?」
「え! どこに!?」
辺りを見渡す息子。
まてまて、どこに置く気だ?
線路上に置きポケモンなんて、絶対にダメだからね?
ジムへのポケモンの置き方をかい摘まんで説明します。
「ジムのポケモンって、人のだったんだね」
そこからだったんだね。
「ここは、同じチームのジムで、まだ6匹揃ってないから、息子も1匹置いて良いんだよ」
「え! いいの!? 置く置く」
どれにしようかな~、と、スマホ画面を覗き込んでいます。
遠くの方で踏み切りの鳴る音が聞こえてきました。
「あ、息子? そろそろ電車来るからね。 少し急いでね」
「おとうさん、どれでも良いの?」
どれでも良いかと言われれば、どれでも置けますが……
「なるべく強い方が倒されにくいよ。 で、出来れば防御力が高いの。 あ、もう置いてあるポケモンは置けないからね」
焦りで早口になってしまいましたが、このアドバイスは難しかったでしょう……
「ジムにいなくて……防御が得意で……強いの…………あっ! トランs」
「ラッキー置いておいて!」
4匹目にラッキーを置いた後、ホームに滑り込んで来た電車に、何食わぬ顔で乗り込みます。
通勤、通学時間を外した電車の中は、空席の方が多く、席は選び放題です。
ホームが見える席に陣取った息子が、窓の外を眺めて言いました。
「あそこにラッキーいるんだよね?」
「ん?そうだね。 帰ってくるまでジム守ってくれてるといいね」
「そうだね!応援しなきゃね」
「うん? 」
先程も言った通り、人が留まりやすい駅での防衛は難しいのですが、まぁ、心の中で応援し……
「らっきーーーっ!! がんばってねーーー!!」
「ちょおぉぉい!? せめて、心の中で応援してくれるっ!?」
電車内で大変ご迷惑をお掛け致しました…………
~~~5時間後~~~
(ぜんぜん、GET出来なかった……)折角のヨーギラス祭りが、何をどう間違えたのか、エラー祭りになってしまったこの日。
夕暮れのホームに停止した電車から、1番最後に降りた私達は、とぼとぼと改札を抜けて帰路に着きます。
いや、とぼとぼしているのは私だけで、息子は元気でしたけれど。
あんなに歩き回ったのに……
「ねえ、おとうさん! ハピナスがどうなったか見たい!」
「ハピナス?」
「朝、ジムに置いたじゃん!」
あぁ!置いたねそういえば!
ヨーギラスショックですっかり忘れてたよ!
あと、君が置いたのはハピナスじゃなくてラッキーだけどね!
駅前にあるよく分からないモニュメントの前に移動し、スマホを手渡します。
ここからなら、先程のジムに届くのです。
「ラッキー元気かな~? あ!うんうん、まだがんばってる!」
私の予想に反して、ラッキーはまだジムを守り続けていたようです。
「でも、ハートが減ってる! どうしよう! ねえどうしよう!! おとうさん!どうしよう!!?」
よし落ち着いて。
大量に余っているバナナをあげると良いよと、アドバイスを送ります。
間髪いれずにラスト1個の『ズリの実』を放り投げる息子。
いや、待てぇい。それどう見てもブドウでしょ!?
「あ、そっか! ごめん、ラッキー。 今の返してくれない?」
そういう制度は無いんだよ。
ほら、ラッキー困ってるでしょ……
捕獲率の低い息子の為に、パイルの実(パイナップル)は残しておきます。
カイリキーレイドで手にいれた、貴重な金のズリの実などもっての他。
息子の投げるバナナを食べて、ぐんぐんやる気を回復していくラッキー。
あっという間に、全回復です。
じっと、画面を見つめている息子。
じっと、画面を……
じーっと…………
「どうした?」
「お腹減ったら、すぐにバナナをあげようと思って」
「そんなに直ぐには減らないよ?」
燃費悪すぎでしょう?
「そうなの? じゃあ、お腹が減った時用に、バナナいっぱい置いて行こうかな」
「お供えか? ラッキー困るから、やめてあげてね」
分かったのか、分かっていないのか、
じっと、画面を見つめている息子。
じっと、画面を……
じーっと…………
「……どうしたの?」
「がんばれって言っておいた!」
おぉ!心の中で言えるようになったのか!
ちょっと感激……
「がんばれ~、がんばれラッキー!明日また来るからね~」
ナンデモナイデス
大声じゃなかったので、まぁ良しとしますが、明日は来ないよ?
おとうさん仕事だし。
っていうか、明日までいたら防衛時間凄いことになってるだろうし。
「あ、息子。 他のポケモンにもバナナあげていいよ」
「え!いいの!」
防衛時間の差は、電車1本分
ここは、全員全回復して限界までの防衛を目指しましょう。
バナナ(ナナの実)はまだありますしね。
「がんばれ~ハピナス!今日は仲間だぞ!」
いつも戦ってるハピナスとは、違う個体だからね?
「カビゴンもがんばれ~!好きなだけ食べて良いぞ~」
原作設定だったら、ヤバイことになるけどね
「あと……鳥の?なにこれ? よくわかんないけど、がんばれ~」
色々とひどくない?
全ポケモンにバナナを配り終えたのか、3mほど離れたところで他人のふりをしていた私のところに小走りで戻ってきました。
「みんなにバナナあげられた?」
「うん! 全部あげてきた!」
全部あげたの!?
「まぁ、いいか。 それじゃあ、そろそろ帰るよ」
「うん! でもここに、ヨーギラスがいたよ!」
……うん?
~~~帰宅後~~~
「なんで……なんで、サナギラスが2体……」崩れ落ちる私を横目に、そそくさと距離を開ける息子。
「そ、そういえば、ラッキーどうなったかな? ね? ね?」
「知らん……」
話題の変え方が雑すぎます……
まぁ、やってしまったものは仕方ありません。
気持ちを切り替えて……切り……替えて……バンギラス欲しかったなぁ~~~~~
「ねえ、おとうさん! ハピナスに木の実あげに行こうよ!」
「いや、行かないよ! そろそろ夕御飯だよ!」
「夕御飯とラッキー、どっちが大事なの!?」
なにその2択!?
夕御飯と即答しても良いですが、よりめんどくさくなる気がします。
何か良い手は……そうだ!
テーブルに置いてある、持ってきたばかりの缶チューハイを、息子の目線より高く持ち上げると、軽く左右に振って見せます。
「ほら、お父さんお酒のんじゃったんだよ。 もう運転しちゃいけないんだよ」
ぐっと言葉につまる息子。
視線をスマホに戻します。
(かかった! 今だ!)
息子の視線が外れた瞬間に、缶チューハイのプルタブを開け、一気に半分近く飲みます。
くるっと振り返る息子
「おとうさん、お酒、今、開けなかった?」
「何が?」
もはや証拠など残っておらんよ。
まだまだだな、息子
勝利の美酒というやつを、大きく口に含みま
「あ、ここからでも木の実あげられるや」
吹き出すかと思いました。
正直申しまして、ジムにポケモンを置いたことのなかった私は、自宅から木の実があげられることを、この時、初めて知ったのです。
攻略サイト、ちゃんと読んでおけば良かった。
「あげていい? あげていいよね?」
こうなったら、収集つきません。
「1個だけね」
と、釘を差し、お酒をちびちびと煽ります。
何せ、防衛時間はまもなく8時間。
それ以上は滞在してもコインは貰えないと攻略サイトで読んだ記憶があります。
ここで、大量に木の実を使うのは得策ではありません。
「おとうさん! あげたよ!」
「よしよし、じゃあ、あと終わりにして、夕御飯ね」
「は~い」
まったく、手間をかけさせお……
ここで、強烈な違和感を覚えました。
素直すぎない?
ここは、普段なら、もう一個あげたい!もう一個!!
とか、せがんでくるパターンのはずです。
何かが……おかしい……
「息子?」
「なに?」
「あげた木の実は1個ずつだよね?」
「そうだよ?」
この顔は……まず、嘘は言っていないでしょう。
いや、待てよ。
あの時……駅前で何と言っていたか……たしか、バナナは……
そして、パイナップルは、ヨーギラスに……
お酒の入った頭で、うまく考えがまとまりませんが、嫌な予感しかしません。
「息子? ラッキー達は回復したの?」
「うん! 回復したよ! 1個あげたらぎゅーんって満タンになったんだよ!」
……それは、まさか
「すごいよね! あの黄色いブドウ!」
それは……金のズリの実だよね……
~~~あとがき~~~
読んで頂いて、まことにありがとうございます。
今回のお話は、前回のお話と同じ日の出来事です。
最初はまとめて1話にしていたのですが、文字数が凄いことになってしまったので分けさせていただきました。
前の話も読んでいただけたら嬉しいです。
さて、次回は「ジムにポケモンを置きまくったお話」を書かせていただこうと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
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ほんとこの息子は想定外なことばかりするなw読んでて飽きないわでも筆者さんもおっちょこちょいなところは似た者同士だなぁw